KRANKENHAUS「from dusk till dawn」

まず、KRANKENHAUSってなんだ、という話からしないといけません。

この合同サークル「KRANKENHAUS」、まいとびみんとのマイナスさんに持ち歌を作ろう、ついでに秘封20周年じゃん暴れようぜ、みたいなノリで始まって、As/Hiの柊さん巻きこんでこんなことになってしまった……というやつです。
基本的にトラック制作は私梶迫。作詞に四面楚歌の人比良。歌唱にマイナスさん。Pf+VoアレンジにAs/Hiの柊さん。ボーカルエンジニアにAs/Hiのあとりさん、という布陣で、曲先歌詞後で好き放題やる、という企画です。
なんとかC103でアルバム出して、「よし、解散!!!」と思っていたら、突然例大祭で七夕坂夢幻能が来たので……6月の遠野秘封で、いろんな人を巻き込んで2ndアルバムが出ました。

1stアルバム「fron dusk till dawn」DL販売ページ
2ndアルバム「Alcor Call」販売ページ

というわけで、1stアルバム「from dusk till dawn」のアレンジ側の解説を軽ーくやってみようかと思います。
なお、歌詞担当側の「感想」は四面楚歌のPixivFanboxに掲載されています。歌の世界観とかの話はこちらをご覧ください。

……いや、ほんと。梶迫さんはどんな歌詞が乗ってくるのか、何も知らずに作っていたので。2023年の後半はほぼこれにタスクを持って行かれていました。この副産物であるところのクラブ寄せREMIXが、SKEPTICISM 4のハムシャーク群だったりします。リリースはSKEPTICISM 4が先でしたが、すでにこの時点でfrom dusk till dawnの曲のほとんどは出来上がっていたのです。
各曲タイトルは人比良が、英語タイトルは梶迫がつけています。配信の関係で英語タイトルが必要なんですねーこれが。

 

Tr.01 げんそうのくに(IHATOV)

原曲 : 二日酔いの同床異夢

from dusk till dawnは最後にピアノとボーカルのデュオがはいることが決まってたんで、普段よりアコースティックに寄せるようにしています。ピアノも、差別化のために柊さんが絶対に使わない子を使うようにしました。
一曲目は、世界観の紹介であるべき……ということで、なるべく生楽器に近い音、かつ梶迫迅八の曲であると強烈に主張すべき音。愛用のスパニッシュギター音源を、INSTRUMENT 1で。
また、低音部をダブルベースで。
いつか、マイナスさんがアコースティックライブをやっても違和感がないように。
クラップも、人間がいれば入れられるよね。
……そういう、世界観と方向性をつけるアレンジです。

・MainGt Langejans(ナイロン弦)
・SubGt Spanish(ナイロン弦) 数本
・Syn M1 Callilead + Soft-Bells
・Pf C.Bechstein
・Bass Fretless + double bass

Tr.02 にゃんもんの多い猫箱(cat box with many Nyallenges)

原曲 : シュレディンガーの化猫

僕のアルバム構成の中では、二曲目は主題であることが多い。
一曲目で作った構成楽器に対して、マイナスさんからのリクエストにお答えする形でディストーションギターをぎゅんぎゅん言わせている。
これはね、オンボロカーのエンジンなんですよ。
……まさか、にゃんにゃんすることになるとは……いや、ちょっと予測はしてた。
曲構成としては完全にクラブトラックなので、現場で使っていただいて(野太いにゃーにゃにゃ大合唱で)大変ありがたいです。

……どうしてこうなった。

・distortionGt TRILIAN Edge of the Jackbootie
・SubGt Spanish(ナイロン弦) 数本
・Syn MS-20 steganography
・Pf Hamburg Steinway D
・Bass Fretless + Basic E Bass

Tr.03 善光寺の牛狩り祭(Zenkoji Cattle Hunting Festival)

原曲 : 牛に引かれて善光寺参り

シュレ猫からの落差で、複数ボーカルを疑うけど1人なんだよなあ
この善光寺は、じつは柊さんが小道具店の別のアルバムで弾いてくれたデータから流用してるピアノが一部つかわれてたりする。
Tr.9でやってくるあいつの予告を布石として打ってるわけです。
リズムキック以外は和太鼓で統一。金物も祭用のものです。……いや、まさかざーこざーこになるとは……

・distortionGt RiG Tremolo
・SubGt Spanish(ナイロン弦) 数本
・St Strings Ensemble
・Syn hybrid Key Sepia Westen
・Pf New York Steinway D
・Bass Spanish(ナイロン弦)

Tr.04 ジーザス・クライスト・シューティングスター・クラブ(Jesus Christ Shooting Star Club)

原曲 : 衛星トリフネ

梶迫小道具店のアルバムの場合、4曲目は特別な位置になります。必殺を置くべき位置。
衛星トリフネはたしか、これが6回目。やり尽くした感があるけど、全く飽きる気がしない。
気合いいれてますね……やたら。ギターようやったわ、これ。
歌詞が来てから合わせて色々足してます。黙示録を告げる鐘とラッパは必須でしょう……!

・MainGt Spanish(スチール弦)
・SubGt Spanish(ナイロン弦) 数本
・Syn M1 Space
・Wind Sax
・Pf C.Bechstein
・Bass Fretless + TRILIAN Dean’s Harmonic Destiny1

Tr.05 兎詐見の火(usami on light)

原曲 : 月面ツアーへようこそ

割と手癖の梶迫トライバル。
構成楽器にストリングスとアコーディオンを追加して、かなりジプシーな構成に。
和楽器はわざと外しています。Cajonとdjembeとその他いっぱい。ギターのボディノックも入ってますね。スパニッシュなんで。
メリーが歌うイメージで作ったら、歌詞もメリーの歌で来てガッツポでした。何故打ち合わせをしないのか、KRANKENHAUS……!

・MainGt Spanish(スチール弦)
・SubGt Spanish(ナイロン弦) 数本
・St Gypsy Violin Legato Fast
・Syn M1 16’KALIMBA
・Wind Sax
・Pf New York Steinway D + Excelsior Accordion
・Bass double bass

Tr.06 泥の花の匂いがした(Smelled Mud Flowers)

原曲 : 最も澄みわたる空と海

このアルバム、現在から過去へ、という最初のイメージがあって、原曲順だけが決まった状態で作ってるんですね。
なので、そろそろまとめに入る布石を打ち始めています。
構成楽器はギターとストリングス。どのギター、どのストリングス、というのはここまでで決まっていますから、あとは走るだけ。
最後にピアノを足しているのも、もちろんTr.9の為の予告です。

・MainGt Langejans(ナイロン弦) + FlamencoGuitar(ナイロン弦)
・SubGt Spanish(ナイロン弦) 数本 + 琵琶
・St Gypsy Violin Legato Mod
・Pf New York Steinway D
・Bass エレアコ
・RAP SynthesizerV ERI

Tr.07 因果交流倶楽部(Ghostly Filament Club)

原曲 : 夢と現の境界

ラストスパートです。
構成楽器はここまでの布石全て。
割といつもの梶迫小道具店のトライバルハウスに仕上がってると思います。
流れてく車窓のイメージ、強めですね。MVもそうなりました。

・MainGt Langejans(ナイロン弦)
・SubGt Spanish(ナイロン弦) 数本 + FlamencoGuitar(ナイロン弦)
・St Gypsy Violin Legato Mod
・Bass Fretless + double bass + Gypsy Acoustic Bass

Tr.08 水なき海を往く ( 20 years after ) (pass away the no water sea ( 20 years after))

原曲 : 夜のデンデラ野を逝く

これは梶迫小道具店としては古い2012年の曲で、何度もREMIXしてあとりさんに歌いついできていただいたものです。あとりさん版からは2音上がってます。
マイナスさん版を作るにあたり、やはりアコースティックに寄せること。弾き語りでも歌えること。このあたりを重視しています。歌い出しが顕著。
イントロがない理由は単にそうしたかったから、というのと、ふっと会話が途切れて「もうちょっとで着くね」「旅も終わりかー」感が出したかったんだよ。結局終わらないのだけど。

「ぼくたち、とおくにきたんだねえ」

3:10あたりから低音部にセロが入ってくるんですが、これは最後の最後につけ足したものです。
やさぐれワンちゃんなセロ弾きさん、上手くなりましたね?

・MainGt Spanish(ナイロン弦) + Langejans(ナイロン弦)
・SubGt Spanish(ナイロン弦) 数本
・St Cello Solo Sustain Vibration
・Bass Spanish(ナイロン弦)

Tr.09 夜明けの秘封倶楽部(from dusk till dawn)

原曲 : 少女秘封倶楽部

tr.9は、完全にエピローグ。
柊くんに「すきにやれ!」して、梶迫さんは安心してひたすら布石を打ち続けていたのでした。まる。
柊秀雪を聞け! こいつが木曽文化ホールでソロコンやった男だ!
ボーカルパートも変拍子あり、リズムチェンジあり、と相当な無茶ぶりしてますけど、マイナスさんよく歌いきってくれたなぁ、と思います。

・Pf Kawai NOVUS NV10

 

さてさて。京都秘封前日に、「あの日視た幻想chapter.9」というライブがあります。

画像

なんか、いますね?
はい。KRANKENHAUS + As/Hi Piano、電撃参戦となりました。Pf柊秀雪、Voマイナスの二人でのシックな構成です。
「このライブで解散して、来年はKRANKENHAUS2だ」
「おじいちゃん、そもそもKRANKENHAUSやるかはマイナスさん次第でしょ」
なーんて話もありますが、ライブに向けてほんとマイナスさんが頑張ってますので、是非。

あの日視た幻想の一般チケットと配信チケット、そして秘封シンポジウムのチケットが発売されてます。
シンポジウムのほうには人比良も出るみたいです。

それと、あの幻合わせで、ライブT作って! って人比良が言うから作りました。

KRANKENHAUSライブT

イラストは葉月梗くん。

ドライT版先行予定数終了につき、pixivFACTORY版の販売受付を開始しています。
pixivFACTORYさん、短納期Tの在庫がことごとく死滅しているので通常納期版にせざるを得ませんでした。
京都で着たい人はお早めに!

KRANKENHAUSライブT
現地ではメトロブルーのドライT版が何枚か物販に置けるかと思いますがほんと少ないので、絶対欲しい方はBOOTHで発注してね。都度印刷で、だいたい一週間強くらいかかります。

翌日京都秘封の梶迫小道具店ならびにKRANKENHAUSは、学-01,02「四面楚歌」に委託です。紀-05「As/Hi Soundworks」にもピアノハウスアルバム「mutual music astrology」が多分あると思いますので、よろしくお願いします。

AHCJ-0001 TRAVEL MAP

平素よりいろいろとお世話になっているAs/Hi Soundworksの柊秀雪さんからお誘いいただきまして、合作の鳥船遺跡アレンジをやらせていただきました。
柊さんのMixtureRockに対抗するような形でHIPHOP・R&B・House方面で攻めております。

製作のスタイルとしては、柊さんがアレンジをする->梶迫がお手上げ侍しながらBeatMakeをする->それを元に各々好き勝手やる、という、実にややこしい事になっております。いやぁ、Remixたのしい。こういう依頼ならホント歓迎。

トラックによっては「あれ、これ私要らなくね」ってこともあって柊さんのドラムまま、という曲もありますが、大体の曲に提供している形になります。私のアレンジ担当分は、提供したBeatをほぼ無視して作り直したりしてます。何しろ、柊さんと言えばProgressiveな方ですので、当初は「ベースもお願いします」と言われていたのですが、ロックアレンジする以上、HIPHOPなベースは合わないし展開多すぎ死ぬ、という事で、ベースは勘弁していただいていたりします。これも、私のアレンジではだいぶアレしてベース足したりしています。
また、Atoriさんが書いてきた歌詞を踏まえてLyricを梶迫が書き、Psy-Gyoh氏にSkypeで音声指導しながらMicControlしていただいております。こちらも当初はどうなるかと思いましたが徹底的にやらせていただきましたので、是非お聞きいただければと思います。Lyricに関してはブックレットへの掲載はありませんので、ご了承ください。

そんなわけで、たまにはライナー的な物を。


Tr05. Karasuma Boulevard【鳥船遺跡 / 宇宙に浮かぶ幻想郷】

本来、最後に来るべきTrackですが、現実との接合点としてここに配置されています。元となった柊さんのTr10がかなりの重低音曲だったので、なるべく差別化しようと、ベースラインのオク上げや、元には存在しない輪唱などを追加しています。

Lyric
聞こえてる? このHeartBeet そう、ちょっと恐いけれど二人なら
一発Game overのseriousなflagでも そう、Blue DoorもClash蹴破れる

Yes Dream Walker その目を見て どんな境も意のままに
Yes Star Seeker その手を取って どんな道も意のままに
Schrodinger’s Catの生死さえ 倒した杖の行く手にさえ
Find the phenomenon,Dream Walker
Find the correct route,Star Seeker

Yes Dream Walker その目を見て どんな夢も意のままに
Yes Star Seeker その手を取って どんな現も意のままに
Schrodinger’s Catの生死さえ 倒した杖の行く手にさえ
Find the phenomenon,Dream Walker
Find the correct route,Star Seeker

Dream Walker 君の目を信じる どんな夢も 君が決める
Star Seeker 君の目を信じる どんな現も君が決める
Schrodinger’s Catは死にはしない 倒した杖は出口に向かう
Find the phenomenon,Dream Walker
Find the correct route,Star Seeker


Tr06. East Boulevard【鳥船遺跡 / 衛星トリフネ】

本来の起点となるTrackです。とにかく元の曲がRockしていたので、あぁ、これはちょっと重低音抑えないと駄目だ、と思いまして、なるべくJazzyに仕上げています。この曲のみ、柊さんに提供した物と同じパーカスを使用しています。そうだ、京都に行こう。

Lyric
道から未知 坂から境 二人今宵抜け出す 旅の始まり
道から未知 路地からLOGIC 二人今宵辿る 旅の始まり

(気もそぞろ)抜け出す教室 急ぐ足 止めるMY BOSS 躱し急ぐ
駆け出すCampus 焦る足 振り向く MY BADDY sorry! sorry! sorry!

道から未知 坂から境 二人今宵抜け出す 旅の始まり
道から未知 路地からLOGIC 二人今宵暴く 封じられた秘密!


Tr07. Furumonzen-dori Street【鳥船遺跡 / トロヤ群の密林】

Tr06の流れを踏みつつ、スパニッシュギターをメインに据えたTrackになります。10本分くらいスパニッシュギターですね。え、この曲そんなストーリーだったの?!とAtoriさんの発想に驚嘆しながらLyric書いた記憶があります。

Lyric
入り込む路地 迷い込む道 二人当たり前踏み込む小道
旅楽しむにはこれ常識 RANDOMSEEDが必要不可欠

入り込むLogic 迷い込む未知 二人当たり前踏み込む小道
夜楽しむにはこれ常識 RANDOMEVENTが必要不可欠

Hi yo buddy ご機嫌はどう? まずは軽いJAB軽い幻想
これが夢なら幸先もgood 二人歩く町当たる幻想

入り込む夢 迷い込む森 二人当たり前踏み込むDream
夜楽しむにはこれ常識 Star Seekerが必要不可欠

ところでこれは夢?それともリアル? まあどちらでもOK, Ready GO
これが夢なら幸先もgood 二人歩く夢ひたる幻想

入り込む夢 迷い込む森 二人当たり前踏み込むDream
夜楽しむにはこれ常識 Dream Walkerが必要不可欠


Tr08. Temple town arcade【鳥船遺跡 / 天鳥船神社】

ここまでかなりおとなしく作っていましたので、少し梶迫小道具店の本領発揮しようかな、と思いまして、この曲は少しギャングスタ寄せにしています。ブラス隊とずしっとくるドラムが特徴ですね。先に仕上げたTr09とピアノの音色を合わせて整合性を取っています。……柊さん側も相当遊んだTrackになっていますねw

Lyric
路地を縫うよにすり抜ける二人 Main Dishにはまだまだ遠い
今夜のStageはとびきりCool だから準備と覚悟は決して怠らず
禹歩の歩法は知っているか 目的に向かうのにStraightは禁物
敢えて回り道 これ正しい道 大物狙うにはStraightは禁物

路地を縫うよにすり抜ける二人 Main Dishにはまだまだ遠い
知ってるよ、今夜のStageはdope だから準備と覚悟は決して怠らず

方忌みの呪法は知っているか 目的向かうのにStraightは禁物
敢えて回り道 これ正しい道 大物狙うにゃStraightは禁物

目的向かうのにStraightは禁物 敢えて回り道これがほら、正解!


Tr09. Route 9【鳥船遺跡 / 天鳥船神社の結界】

本アルバムのMainTrackになります。コード構成的には実は一番やりやすかったり。実は、柊さんとあまり楽器構成は変わりませんので、私のほうでは差別化のために元の曲からBPMも上げて四つ打ちに仕上げています。ナイロン弦アコギとオルガンのベースラインに支えられてリズムのメインに座るのはCarl Bechsteinになります。このピアノはほんといい音を出してくれます。Lyricは……はい。Atoriさんがあんな歌詞書くからいけないんですよ、と弁明しておきます。

Lyric
street On Da rain 二人空見あげ まるでFox step 落ちるRain Drop
Don’t worry, Buddy. It’s all good. きっとこれは幸先の証

お狐様のWeddingもただの雨 楽しめるのはOnly special Eyes
We got S on my chest さあ、楽しもう 傘なんて要らない far out happening

street On Da rain 二人空見あげ まるでFox step 落ちるRain Drop
ちょっとやみそにない so Hard rain こんな時にゃPit in, so hurry hurry hurry

お狐様のWeddingはFULL ON FloorじゃHard house So Hard Rain
二人駆け込む喫茶 Tea & Coffee Chill outするまで揺らす two Cup

street On Da rain 二人空見あげ まるでFox step 落ちるRain Drop
Don’t worry, Buddy. It’s all good. きっとこれは神様のStop Sign

お狐様のDanceはFULL ON FloorじゃHard house So Hard Rain
二人眺める窓 Tea & Coffee Chill outするまで揺らす two Cup

street On Da rain 二人空見あげ まるでFox step 落ちるRain Drop
Don’t worry, Buddy. It’s all good. そろそろPartyもきっと店じまい


ちょっと宣伝

本作「TRAVEL MAP」のジャケット背景を、ハンカチにしてみました。
普段使いに、旅のお供に、そっとポケットにお連れください。